読書ノート:マネージャーの仕事(ヘンリー・ミンツバーグ)-論文
カナダのマギル大学の教授ヘンリー・ミンツバーグがマネージャーの実際の仕事の調査を行って、マネージャーの仕事の本質について研究をしました。ミンツバーグ教授によりますと、今まで産学でもマネージャーの職務に対する理解が不完全であり、長い間マネージャーの仕事に対して根本的な問いかけをしていなかったであります。
マネージャーは実際に何をしているかはっきりわからないと、マネージャーへの教育も本質的にできないと教授が指摘しています。
フランスの実業家アンリ・ファヨールが1916年に紹介されたマネージャーの仕事は「計画し、組織し、調整し、統制する」という考え方が主流だったが、実際のマネージャーの仕事内容を調査したら、それと全然異なる結果がでたということです。
ミンツバーグ教授によると、伝統的な考え方とは異なり、マネージャーはいろんな役割を担っていて、その様々な役割において柔軟に働きをしていることであります。
ミンツバーグl教授は「マネージャー」に対する定義は、「組織、あるいはそのサブユニットを預かっている人物」であります。CEO、副社長、宗教の指導者、職長、ホッケーの監督、総理大臣なども当てはまります。
マネージャーの役割は具体的に下記のように構成されています。
フォーマルな権限と地位 | |
対人関係における役割 | ・看板的役割 ・リーダー的役割 ・リエゾン的役割 |
情報に関わる役割 | ・監視者としての役割 ・散布者としての役割 ・スポークスマンとしての役割 |
意思決定に関わる役割 | ・企業家としての役割 ・妨害排除者としての役割 ・資源配分者としての役割 ・交渉者としての役割 |
マネージャーの仕事について、下記の図で古典的な考え方とミンツバーグ教授の考え方をまとめてみました。
ミンツバーグ教授は、マネージャーが様々な役割で統合された職務であり、自分の仕事を内省できるマネージャーはこの職務をうまくこなす重要な要素であることを考えています。マネージャーの教育について、現在のビジネススクールなどの教育機関は真のマネージャーの教育をほとんど取り込んでいなくて、単純にと組織関係のスペシャリスト、マーケティングリサーチャー、会計士、組織開発の専門家などしか教育できていないと教授が指摘しています。マネージャーの仕事の本質に理解できないまま真のマネージャーの教育も行うことができません。
より効果的なマネジメントを目指したい場合、下記の「マネージャーのための自習問題」を真剣に取り組んでいくべきであります。
- 情報をどこで、どのようにして入手するか。
- 組織内でどのような情報を発信しているだろうか。
- 情報収集と行動のバランスが取れているだろうか。
- 変革のペースがどの程度であれば私の組織は許容できるのだろうか。
- 部下の提案について判断を下すのに十分なだけの情報を得ているだろうか。
- 私の描く組織の将来像は何か。
- 私のマネジメント・スタイルに部下はどのように反応するだろうか。
- どのように外部との関係を保持しているだろうか。
- スケジュール作りにきちんと筋道が立っているだろうか。
- オーバーワークではないか。
- やり方が上滑り過ぎていないか。
- 今起こっている具体的な業務にのめり込み過ぎていないだろうか。
- 異なるメディアを適切に使っているか。
- 自分自身の権利と義務をどのようにバランスしているか。
興味のある方は、ミンツバーグ教授の本を読んでみてください。
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